\(\int_C\frac{z-3}{z^2-2z+5}dz\ C:|z-1+i|=2\) の解き方が検索しても出てこなかったので記事にしました。
目次
\(\int_C\frac{z-3}{z^2-2z+5}dz\ C:|z-1+i|=2\) を解くのに必要な道具
- b’を使う2次方程式の解の公式
- 積分路の変更原理
- コーシーの積分公式:一般の場合
b’を使う2次方程式の解の公式
2次方程式\(a x^2+2b’x +c=0\)の解は
$$x=\frac{-b’ \pm \sqrt{b’^2-ac}}{a}$$
xの係数が偶数(2の倍数)のとき計算が楽になる。
積分路の変更原理
関数f(z)は領域Dで正則とする。単一閉曲線Cの中に単一閉曲線\(C_1\)があってCと \(C_1\) の間の領域はDの点のみからなるとする。このとき
$$\int_C f(z)dz=\int_{C_1} f(z)dz$$
が成り立つ。
コーシーの積分公式:一般の場合
\(\partial D\)は有限個の区分的に滑らかな単一閉曲線からなり、f(z)は\(\overline D\)を含む領域で正則とする。このとき
$$f(z)=\frac{1}{2\pi i}\int_ {\partial D}\frac{f( \varsigma)}{\varsigma-z}d\varsigma\ (z\in D)$$
が成り立つ。
\(\int_C\frac{z-3}{z^2-2z+5}dz\ C:|z-1+i|=2\) の解法
\(z^2-2z+5\)の因数分解
$$z=1\pm \sqrt{1-5}=1\pm \sqrt{-4}=1\pm2i$$
$$z^2-2z+5=(z-1-2i)(z-1+2i)$$
z=1+2iは円|z-1+i|=2の外

積分路の変更
\(C_1=\{z| |z-1+2i|=\frac{1}{2}\}\)とすれば
$$\int_C\frac{z-3}{z^2-2z+5}dz=\int_{C_1}\frac{z-3}{z^2-2z+5}dz$$
となる。
コーシーの積分公式:一般の場合
\(f(z)=\frac{z-3}{z-1-2i}\)とすると
$$ \int_{C_1}\frac{z-3}{z^2-2z+5}dz= \int_{C_1}\frac{f(z)}{z-1+2i}dz=2\pi i f(1-2i)=2\pi i\left(\frac{-2-2i}{-4i}\right)=\pi(1+i)$$